局所ゲノム再配置マップとは?
局所ゲノム再配置マップ (Local Genome Rearrangement Map)は、2つの近縁種を比較する機能の1つです。2つゲノムの間の 最大相同性パス に沿った 相同性領域 の比較を塩基配列やアミノ酸配列レベルでかつそれらゲノム上にある注釈を表示します。

ローカルゲノムリアレンジメントマップの描画例
- 図A:2つの 近縁種 ゲノムの ゲノム全体マップ (Buchnera2種)
- 中央の配列レーンから遠い フィーチャーレーン が参照ゲノムです。
- 中央の配列レーンに近い フィーチャーレーン が比較対象のゲノムです。
IMC_5.0.6_BX15017.JPG
- 図B:2つの近縁種ゲノムの 部分拡大マップ (Buchnera2種)
- 中央の配列レーンから遠いフィーチャーレーンが参照ゲノムです。
- 中央の配列レーンに近いフィーチャーレーンが比較対象のゲノムです。
IMC_5.0.6_BX15018.JPG
機能と特徴
基準となるゲノム上に、異なる近縁種ゲノムとの相同領域を検出し、塩基配列およびそれぞれのゲノムのフィーチャーを アラインメント した 局所的ゲノム再配置マップ を描画します。この機能を、ローカルゲノムリアレンジメントマップと名付けています。
2種の近縁種間の全体にわたり、かつ局所的な ゲノムリアレンジメントマップ を作成・描画します。
基準ゲノム に対して、比較対象としての近縁種のゲノム全域を写像します。
2種のゲノム間のゲノム全域にわたり、塩基配列レベルでの相同領域を表示します。
コーディング領域 においては、対応するアミノ酸残基をアラインメント表示します。
アミノ酸残基の不一致個所をリスト表示し、そのリストの各不一致個所をクリックすることにより、対応する位置にマップを移動できます。
- 不一致部位と残基のリストをCSVファイル出力可能です。
- リストは再ロード時に、再現表示されます。
相同領域においては双方のゲノムのフィーチャーとその位置をアラインメント表示します。
- 基準ゲノムとの相同性がない領域については、比較対象ゲノムのフィーチャーは表示されません。
- これは、LGRMが基準ゲノムに対して 比較対象ゲノム を写像するという原理から、写像されない領域すなわち、比較対象ゲノム から欠失した領域として判断されます。
解析結果は基準ゲノムの GenBank形式ファイル として保存および再参照可能です
LGRM表示設定をレイアウトスタイル(LGRMレーン)として登録可能です。
- LGR Mapレーンはメインフィーチャーマップの任意に位置に配置設定できます。
塩基配列とアミノ酸配列の比較表示をカスタマイズできます
- LGRMでは通常の配列レーンをLGRM用に読み替えて使用されます。
IMC_5.0.6_BX15036.JPG
- アミノ酸表示用 Forward Strand 第1フレーム|
- 比較対象ゲノムのアミノ酸残基表示領域。一致塩基を非表示に設定可能です。また、一致塩基を指定した文字・記号、指定したカラーで表示するように切り替えることができます。
- アミノ酸表示用 Forward Strand 第2フレーム|
- アミノ酸一致・不一致文字表示領域。一致した場合および不一致の場合に表示する文字・記号およびその表示色を設定できます。
- :アミノ酸表示用 Forward Strand 第3フレーム|比較対象ゲノムのアミノ酸残基表示領域
- :スペース|基準ゲノムの塩基表示領域(一致時の非表示選択可能)
- :Forward Strand塩基|基準ゲノムのForward Strand塩基表示領域
- :中央線|
- :Reverse Strand塩基|基準ゲノムのForward Strand塩基表示領域
- :スペース|比較対象ゲノムの塩基表示領域(一致時の非表示選択可能)
- :アミノ酸表示用 Reverse Strand 第1フレーム|基準ゲノムのアミノ酸残基表示領域
- :アミノ酸表示用 Reverse Strand 第2フレーム|アミノ酸一致・不一致文字表示領域。一致した場合および不一致の場合に表示する文字・記号およびその表示色を設定できます。
- :アミノ酸表示用 Reverse Strand 第3フレーム|比較対象ゲノムのアミノ酸残基表示領域。一致塩基を非表示に設定可能です。また、一致塩基を指定した文字・記号、指定したカラーで表示するように切り替えることができます。
Feature Mapとして印刷およぶ画像ファイル出力が可能です
配列レーン部分をファイル出力可能です
制限事項
この機能はIMC Genomics/Array Editionに実装されています。
- 塩基配列の比較となるため、この解析は近縁でないゲノム間の解析ではほとんどアラインメントされない場合があります。
Tips
- マップは、基準ゲノム上に、対応する近縁種参照ゲノムの相同領域をアラインメントしたものとなります。
- LGRM解析される基準ゲノムファイル上には、比較対照ゲノム情報が書き込まれます。あらかじめ、別名で複製したファイルを基準ゲノムとして使用することが推奨されます。
バグ情報
未修正のバグ
- IMC Ver. 5.2.4リリース時点現在、バグは報告されていません。
修正済のバグ
- DotPlot単独の解析結果と一致しない問題は修正されました。
- IMC Version 4.3.11で、アミノ酸表示にずれが生じる不具合が報告されました。
最新追加・変更機能
IMC Ver. 5.0.8 (2011/11/4)における改良
- LGRMマップの印刷が可能となりました。
- LGRMの塩基配列、アミノ酸配列レーンのカラー表示オプションが変更されました。
- LGRMの配列レーンを範囲指定でファイル保存できるようになりました。
IMC Ver. 5.0.6 (2011/10/14)における改良
- DotPlotの結果との不一致の問題が解決されました。
- LGRMのミスマッチ塩基のリストが表示され、かつそのゲノム位置へのジャンプ機能が付加されました。
- LGRMでスライディングバーが止まる場合がある不具合が修正されました。