環状のプラスミドベクターのマルチクローニングサイト(MCS)を1箇所切断する制限酵素を使用して、ベクターの開環(線状化)を行います。ベクターへのクローニングの準備です
実装ソフトウェア/エディション
使用データ
- ベクター塩基配列ファイル(*) :例 (Expression_vector_pColdIV.gbk)
- 制限酵素(**) :例 BamHI
操作方法
- 配列ファイル読み込みボタンをクリックし、すると表示されるファイル選択ダイアログからベクター塩基配列をIMCに読み込みます。 このとき、配列種類指定ボタンがAutoあるいは、N.A.となっていることを確認します。A.Aとなっていいると核酸配列でもアミノ酸配列として認識されてしまいます。
- IMCメイン画面左側の反応チューブに円形のDNAアイコンが表示されます。
- 線形アイコンが表示された場合は、セルフライゲーションによる線状ベクターの環状化を行います。
- ツールボックスから制限酵素ボタンをクリックします。
- Any Enzyme ラジオボタンをオンにします。
- その下のフィールドが2箇所入力可能となります。 + from フィールド、to フィールドの両方に1を入力します。
- これは与えられたDNA塩基配列を1箇所だけ消化切断する制限酵素を表示せよという意味です。
- 制限酵素リストウィンドウの下部にあるSelect Allボタンをクリックします。
- これは表示されている制限酵素を全部選択するという意味です。-- この操作ですべての制限酵素にチェックが入ります。
- Show Recognition Siteボタンをクリックします。
- このウィンドウには最初に左側に制限酵素の名称と現在メイン画面に表示されているベクター塩基配列を認識する部位の数がリストされています。
- 1箇所だけ認識するという制限を入れたため、ここは1の制限酵素だけが表示されています。
- そのうちのひとつの制限酵素(例ではBamHI)にチェックを入れます。
- 右側の認識部位を示すリストも表示されるようになります。
- この行の先頭にあるチェックボックスにチェックを入れます。
- ベクターの塩基配列のある領域がブルーに網掛けされます。
- 多くの制限酵素認識部位が集まっている箇所がMCS(マルチクローニングサイト)です。
- 使用する制限酵素(例ではBamHI)の認識部位がMCSにあることを確認します。
- Digestionボタンをクリックします。
- 実行確認メッセージが表示されます。
- 制限酵素消化断片のリストが表示されます。
- 制限酵素消化断片(この場合は1断片のみ)をチェックして、選択してLOADボタンをクリックします。
- LOAD確認メッセージおよび完了メッセージが表示されます。
- 反応チューブ内に新たに線状のアイコンが生成されます。
- 制限酵素消化断片リスト画面をCloseボタンをクリックして閉じます。
- Recognition Site画面をClose ボタンをクリックして閉じます。
- 線状のアイコンをクリックします。
- 開環された線状のベクター配列のフィーチャーマップが表示されます。
- その先頭一は、BamHIサイトになっています。
- ベクター塩基配列に注釈がついていれば、フィーチャーマップ上にそれぞれのフィーチャーがグラフィカルに表示され、その内容を見ることができます。
- 先頭および最後の塩基配列の一部が緑色で表示されます。これは、緑色の部分が存在せずシングルストランドとなっていることを示します。
- この後、プラスミドマップ描画・印刷ボタンをクリックして、プラスミドマップを表示すると、環状のマップが描かれます。